写真/西村一光
7月30日に発売された7枚目のフルアルバム『東京女子流』。15年間の歩みと未来が詰まった本アルバムについてのインタビューを、撮り下ろしの写真とともに紹介します。
──アルバム内での好きな曲や聴いてほしいポイントなど教えてください。
山邊未夢(以下、山邊):3つでもいいですか?『フォーリンラブな時』と『夏の密度』と『交換日記』です!『交換日記』はメンバーが作詞しています。これまで、ひとりずつ作詞することはあったんですけど、もちろん修正なども入ったりして自分たちだけで書いたという感覚はあんまりありませんでした。『交換日記』に関してはAメロはこの子担当で、次のBメロ担当の子に歌詞を投げるっていう、本当に交換日記をしているみたいな感じで回してつくっていて、しかもちゃんと自分たちの言葉が使われている自分たちの思いがたくさん詰まってる歌詞になっていて、すごく大好きな1曲になりました。
庄司芽生(以下、庄司):アルバム制作のずっと前から、メンバーでの作詞はやりたいなって話をしていました。これまでは最初から最後までメンバーそれぞれが作詞して、それを合体してもらうみたいなパターンが多かったんですけど、それよりももっとそれぞれの色が出たほうが真っ直ぐ伝わると思ったし面白いんじゃないかなって……バトンを渡す感じで、曲のパートの担当を決めて作詞をしたいって話を打ち合わせでしました。その時に「え、なんかそれって交換日記みたいだね」「昔、交換日記やってたよね」「タイトルこれじゃない!」みたいな満場一致でタイトルが決まって、全部が繋がっていった感じです。
山邊:デビュー初期の数カ月くらい交換日記やってたよね。LINEとかなかったし(笑)。
新井ひとみ(以下、新井):ない、ない、ない、ない。ケータイもパカパカだった。
──そうなんですね。では続けて新井さんの好きな曲を教えてください。
新井:迷うんですけど……私も『交換日記』かな。私が書いた詞がそのまま使われていて、作詞をするっていう面で大きな1曲になりました。本当にみんなで一緒につくったと言っても過言ではない楽曲で、みんなでガヤを録ったり、マネージャーさんがDJスクラッチをしてくれたり、本当みんなの気持ちが合わさっています。ラストのアルバムにはなるんですけど、未来に向かって私たちが走っていくような光輝いてる歌詞にもなっていて、私の中では特別な楽曲です。
──誰がどの部分を作詞したというのはすぐにわかりますか?
中江友梨(以下、中江):はい。それぞれ作詞したパートを歌っているので、結構わかりやすいかなって思います。
新井:自分のパートは、これまでのどの場面を切り抜いて書こうかすごく迷いました。交換日記なので、前に書いたメンバーの歌詞を読んで「こういう状況をイメージしてるのかな?」みたいにくみ取ったりして……。ひとつ悩んだのは、私たち、元々地方に住んでいて、いつも東京駅の南口で合流していたんです。そこで集合して、レッスン行ったり宿舎に行ったりしていました。それを入れようかなっていう案はありました。
中江:あと、1番のサビは(山邊)未夢がメンバーの名前の漢字を入れてくれたりとか……。
山邊:歌詞カードを見ながらでないと説明が難しいんですけど、「未夢」の「未」とか「瞳」とか「友梨」は「友達」にしたりとか、「芽生」の「芽」とかをサビの中に入れています。また女子流のファンの方を「アスタライト」って呼ぶんですけど、それはアスタリスクの造語になっていて、アスタリスクは「ちいさな星」っていう意味なんですよ。ファンの方に向けてその言葉を入れたりとか……。この曲はラジオで公開されてるんですけど、ファンの中にはもう気づいてくれてる人がいて、歌詞を書き出してくれていたりして、素晴らしいなと思いました。
──歌詞を見ながら聴きたい曲ですね。では中江さんお願いします。
中江:好きな曲と思い入れがある曲で2曲あるんですけど、好きだなって思うのは『キセキ』で、思い入れがあるのは『フォーリンラブな時』ですね。『フォーリンラブな時』は今年の15周年ライブの1曲目に歌った曲でもあるんですけど、その時、すっごい緊張していました。ステージ出る前に裏で頭の部分を歌唱してからダンスパートがあって『フォーリンラブな時』が始まるっていう演出だったんですけど、緊張感もあったし、15周年ライブに向ける思いもあったので、なんか私はすごく印象深かったです。みなさんに感謝の気持ちを伝えて、その日のライブをしっかり最後まで届けるぞっていう決意を固めた時にこの曲から始まっていたので……。歌詞も、尊い時間への思いだったりを語っていて、愛しいものに対してちょっと切ない気持ちになったり、ありがとうっていう温かい気持ちが生まれたりっていう、そういうものがすごく詰まってる大事な曲で、大人になって15周年を迎えれた今だから歌えるようになった曲でもあるなって思います。
そして『キセキ』は、アルバムの最後の曲になるんですけど、アルバムの最後にしたっていうところにすごく意味があるんです。本当になんか物語を締めくくるのにぴったりな曲だなって思いますし、交換日記とはまた違った女子流の今までの出来事や歴史をすごく語ってくれている曲で、4人の未来に対しての思いも詰まっている愛のある曲だなって感じていて、女子流の歴史自体が奇跡っていうのもあって、そういういろんな思いでつけられたタイトルで、この曲で締めくくれるのは本当にうれしいなって思います。
──それでは最後、庄司さんはどうですか?
庄司:この東京女子っていう物語の延長線上で考えたら、推し曲は『Q&A』です。今回『導火線、フラッシュバック』が先行配信されて、そこにメンバーそれぞれのソロ曲も収録されているんですけど、他の候補の曲もあったんです。私は『栞』という曲を歌ってるんですけど、候補曲だったのが実は『Q&A』で、両方の曲を聴いて、いまひとりで歌いたいと思ったのは『栞』だったんです。『Q&A』はひとりじゃなくて、女子流として歌いたいと思って「どうにか歌わせていただけませんか?」ってお願いして、ありがたいことにアルバムで歌わせていただけることになりました。歌詞も、強がりたいとか大人びたいとか言ってる割にはちょっと余裕のある感じがあって、それがいまの私たちだからこそ歌えた、出せた味だなってすごく感じていて、だからこれまでの活動の延長線上で考えたら『Q&A』を推したいですね。
そして『キセキ』は、私たちは15年間ずっと一緒にいたメンバーとも離れて、この環境からも離れて、それぞれが旅立っていくわけですけど、やっぱりちょっと不安な気持ちがあるんです。なんかそういうものすべてひっくるめて「大丈夫だよ」って、すごく前向きに背中を押してくれる曲です。私はこの曲からすごいパワーをもらったんですよ。この曲がレコーディングも最後だったんですけど、女子流として最後にこの曲を歌えて、みなさんに届けることができたっていうことが自分への自信にも繋がって、「これから大丈夫かもしれない」って思える材料のひとつになりました。きっとみなさんも私たちと一緒で不安な気持ちなどがあると思うんですけど、この曲が少しでもパワーになれたらうれしいなっていう思いがあります。
新井:今回のアルバムは、曲間のタイミングを決めさせていただいたり、マスタリングにも初めて参加させていただいて、最後にとおして聴かせてもらったんですけど、本当に映画を見てるような感覚にもなって、主人公の心情とか気持ちに入り込んで聴き入ってしまって涙が出てきました。
中江:ひとみはけっこう早い段階で涙が出てましたね(笑)。『Q&Aロンリーレイン』くらいで涙こぼしてて……。
山邊:「早!?」って(笑)。ラスト2曲ぐらいだったらわかるんですけど、序盤だったから「泣く曲あったかな?」って思いました。
新井:自分たちと重なる部分もありつつ、これからの未来はどうなっていくのかな? とか、主人公が苦しんでるから助けてあげなきゃ ! とか……。
庄司:完全に映画です。もう。
新井:聴いてくださるみなさんも、きっとそういう感覚になってもらえるようなアルバムになっています!
──ありがとうございます。それでは今度はグループとしての『東京女子流』とはどういう存在か、お聞きしたいです。
庄司:これは、いちばん納得のいく答えを未夢が持ってます。これまでこの質問をしていただくこともあって、その時々に思い浮かむ答えを言ってたんですけど、私は未夢が答えた言葉に「それだ!」って思ったんです。
山邊:えっと……「もうひとりの自分」です。活動を振り返った時に、最初はもちろん赤の他人じゃないですか? それに幼いから「ワイワイ楽しくできてればいいや」って思っていたんですけど、長年一緒にいて「東京女子流」として生きていこうって決めた時に、やっぱり何においても自分と同じくらい他のメンバーのことを考えるようになったんです。これをしたら他のメンバーに迷惑がかかっちゃうとか……常に頭の中で他のメンバーが自分と一緒の並びにいるので、自分の分身じゃないですけど、もうひとり自分が3人いるっていう感覚に近いなって思います。
庄司:これまでいろんなワードが出て来てはいたんですけど、「もうひとりの自分」がすごくしっくり来ました。なんか本当にそうだなって思ったし、多分それぞれ4人全員がそうだったからこそ15年やってこられたのかなって感じています。
新井:そんな女子流にいたからなんか強くなれた気もします。女子流じゃなかったらここまで続けて来られなかったとも思うし、本当にパワーみなぎる場所ですね。すごく安心感もあるし、ここで発揮できるものがたくさんあるなって感じます。それに、わけわかんなくなってもみんなが助けてくれるし。
中江:長く喋ってるとね、ひとみはどこまで話してるのかわかんなくなっちゃうんです。
新井:でも周りの子が「こういうことだよね」って読み取ってくれるんです。
中江:もうひとりの自分がね、いっぱいいるから(笑)。
山邊:話の展開をひとみの思考にちょっと合わせて聞いてます。
中江:さっきこれ言ってたから多分到着点はここだよなって、読み取りながら隣で聞いてます。だからたまにひとみがお友達と話す時、わかんなくなっちゃってないのかな? とか、どういう会話になるんだろうって思います。
新井:自分でも心配してる。わかんなくなってないのかな? って(笑)。
山邊:きっとひとりで仕事をする時はちゃんと喋れるんですよ。メンバーがいると誰かが助けてくれるっていう安心感があるから、リラックスしてるのかもしれない。
新井:でもラジオで時を止まらせちゃうこともあります。こないだアルバムを紹介する時に「渾身の一作」って言いたかったんですけど、「渾身」が出てこなくて「進撃」って出ちゃいました。そういう感じで言葉を常に出さなきゃみたいな時に思考が回らなくて、絞り出して絞り出して……ってなります。
山邊:グループでいたら隣で私は「それは渾身かな」って考えてるかも。友梨も同じような感じでわからなくなるよね。で、ライブの時に芽生と2人で(目を合わせながら)「ちょっと待って」ってなってる(笑)。
中江:私は言葉が出ないっていうよりも、間違った言葉をずっと喋ってる(笑)。
山邊:多分この言葉を言いたいんだなって読み取ってます。ライブ面白いです。
中江:でも大丈夫ですよ! 多分グループが安心するってだけで、外にひとりで出たら助けてもらえなくなるってことじゃないですか? そしたら人間のそもそも備わっている本能的に生きなければみたいなものが働いてちゃんとできるんです!
新井:うん! なるんだと思う。
庄司:面白いなって見てます。一旦最後まで聞こう──みたいな。
中江:こういう感じもなんかつくられてきた感あるよね。呼吸とか空気感っていうのは、なんだろう、そういうものって子供の頃から一緒にいて、だんだん居心地のいいものへと自分たちでつくってくんだなって、落ち着いていくんだなって思いました。それが15年一緒にいる貴重な変化だなって思います。
──長く一緒にいるからこその変化ですね。
新井:でも、それもなんかダメじゃないかなって思ってる!
庄司:せっかくまとまったのに収集つかなくなっちゃう(笑)。
中江:ひとみは本当に向上心がすごいんですよね。どっか行っちゃうけど(笑)。

東京女子流 7thアルバム『東京女子流』
発売日:2025年7月30日
価格:3,850円(税込)
<収録曲>
1 フォーリンラブな時
2 夏の密度
3 ロンリーレイン
4 導火線、フラッシュバック
5 Q&A
6 2:30am
7 ロマンチックな事情
8 交換日記
9 datura
10 nostalgia
11 とけないまほう
12 キセキ









