わーすた『夏恋ジレンマ』発売記念インタビュー

──王道なキュンキュンラブソングですが、こういった世界観の曲を歌ってみてどうですか?

廣川:私たちは今まで、こういう王道でキュンキュンさせる曲はあんまり歌ってこなかったので新鮮です。そういう曲を歌ったとしても、ちょっとふざけた歌詞が入ることが多かったので、ここまで真剣な恋愛ソングそれも夏曲を歌うっていうのは本当に初めてに近いし、なんか大人になったなって思います。

──大人になったって思うんですね。

廣川:以前はちょっとトンチキソングみたいなものが多くて、でもそれがわーすたの色でもあったと思うんです。結構いろんな曲をやってきて、ついにやっとこういう王道ラブソングが歌えることが、長くやってきたっていう意味でもあると思うし、10年目の活動に入ったなっていう感覚がすごくあります。この曲を違和感なく表現できる自分たちも大人になったなと思います。

三品:10年やってこれだけ曲があっても、まだ新たなものが生まれるんだなっていうのは面白いなと思いながら歌ってますね。結構今までいろんな曲を歌ってきたんですけど、夏にアイドルが歌って映える曲みたいなのって意外となかったから、ライブで歌っていて楽しいです。

──音源だと可愛い感じの歌声が、ライブだとかなり強めになって、その辺のギャップもいいですよね。

三品:いやなんか本当はもっと落ち着いて歌いたいんですけど、ライブは盛り上がっちゃうんです。私の歌はライブでは生きてる感じだと思って、それはそれとしてっていうことにしてます(笑)。

──お二人もかなり歌に参加されていて、声がいい感じにマッチしていますよね。

小玉:4人体制になって、それぞれソロを歌う機会も増えたからこそ、ちゃんとこう自分の声の良さとか4人で歌う良さを出せるようにって思っています。4人で歌うからこその意味とか、届く価値とかがきっとあると思うので、歌い方なども含めてレコーディングのときなどにいろいろ考えることが増えたなぁとは思います。

松田:5人体制のあまり歌わなかった時期だと、たまにいきなり入るソロパートは「失敗しないようにしなきゃ」とか、その一瞬で見せる難しさみたいなものがあって、なんかそういう部分に頑張ってきていた感じです。それが最近は歌っていうもの自体にこだわりを持てるようになったのがすごく楽しくて、年々歌うのが好きになりました。これまでトンチキソングが多かったのもあって、結構曲によって私は年齢を変えがちだったんです。「3歳で歌ってください」とか「赤ちゃんのほうがいいです」とか「キャラクターっぽく」とか言われることが多かったので、こうやって歌を届けるために歌詞を噛み砕いてみたりとか、より細かく楽しめるようになったのはいいことだなって思います。

──どういう経緯で今回、王道ラブソングになったんですか?

三品:事前にメンバー同士では、やりたい曲として「爽やか」「ラブソング」みたいなワードは出ていたかなって思います。ただ、これまでは制作前からメンバーが提案をしていくことは、楽曲に関してはあんまりなかったかもしれないです。『えいきゅー(えいきゅーむちゅーでこうしんちゅっ!♡)』からかな? 次はどういう曲にしたいっていうのをメンバーの意見も聞いていただけるようになって……カップリングはちょくちょくあったんですけど、表題曲はあまり介入してなかったですね。

廣川:なんかライブの回数が増えてくると「こういう曲がほしい」っていうのが結構明確に出てきたりするのもあって、セットリストに幅感を出すための盛り上がる曲が今はほしいとか、そういう意見を出したりはします。これまで夏曲はたくさんいただいてきたけど、こういうエモーショナルで切なさもだけどちょっとポップで可愛らしさもあるみたいな曲はなかったので、そういう意味で私たちがすごく求めてた感じの夏曲かなと思います。

──意外とありそうでなかった夏曲って感じがします。MVもすごく可愛いですね!

三品:MVの撮影日は夏前だったんですけど、その日がなんかすごく暑くてめっちゃ晴れて日差しが強くて夏でした。

廣川:新宿は大荒れの日で、元々その日は雨予報で「やばいかもね」って感じだったんですけど、私たちやっぱり晴れ女なので天気に勝ちましたね。

三品:その日は1日撮影だったんですけど、海で踊るのが大変でした。

小玉:砂で足取られちゃうんですよ。人によってはヒールがあったりで大変ですね。

三品:過去にも砂浜で踊ったことはあって……でも過去のほうが大変だったかもしれない。すごく浅い場所で、砂浜というよりはなんかもうほぼ海みたいだから、水がだんだん迫って来て立てる場所がなくなってきちゃう。それに比べたらたらまぁ今回はサラサラの砂で踊りやすかったけど、踊るたびに耕してしまうからどんどん柔らかくなってしまって……1回通しで踊ったら直してまた踊ってを繰り返してました。

廣川:砂浜で踊るのはダメだって前に学んだと思ってたんですけど、やっぱりダメでした(笑)。

三品:ただ、めちゃくちゃ綺麗なんですよそのシーンの絵が。だからやるべきでした。

──ひとりの女の子としてそれぞれが演じている感じのシーンもありますよね。

松田:はい。それぞれが誰かを好きなんですよ。そういう気持ちを想像しながらやってました。

三品:なんか、私が私という状態で誰かを好きっていう感じだから、誰かを演じたわけではなくて、「好き」という感情を思いながら演じました。

小玉:それは同じかもしれない。で、それを知ったうえでMVを見ると、メンバーがそれぞれ恋してる感じに見えてくるんですよ。なんかほかのメンバーを見るときとかキラキラして目が違います。みんなの「好き」って気持ちがすごいこのMVに詰まってるので、そう思ってもう1回見てほしいです。普通にソロのアップだと思ってたシーンが、ほかのメンバーを見てる絵だったりとかあると思います。

廣川:10年目の深みがMVに現れてます(笑)。

──そうなんですね! カップリングはどうですか?

廣川:大人っぽい曲調ではあるんですけど、歌ってる自分たちはちょっとなんだろう……ずっと可愛いままでいたい女の子が主人公なのかなって思ってます。とにかく可愛く歌い上げる感じがこの曲のポイントかなと。歌詞もぜんぶ可愛らしくて、振り付けも結構今までにない感じになっています。

三品:すごい力が抜けた振り付けで、あんまりこうバタバタしなくて汗かかないです。

小玉:あんまり止める振りとかではなくて、なんかふわっとこう流れるようなイメージです。

廣川:おしゃれで、ずっとミュージカルというか演劇を見てるような感じの振り付けかな。ポージングとかもいろいろあるけど女の子って感じで……。

松田:可愛い女の子たちがオルゴールの中で踊ってるみたいなおもちゃを想像して踊ってます。キラキラした音に合わせてゆったりこう回ってくおもちゃみたいな。人間身とかってよりは、おもちゃの女の子たちみたいな、客観的に見て夢の中みたいな、そういう雰囲気かも。

廣川:不思議ちゃんな「私って可愛い」みたいな女の子になったらいいなと思って歌ってますね。そういう主人公に今まで生きてきてあんまり出会ったことないけど、あざとい感じのセリフのところはとびきり可愛く「私のこと好きでしょ?」ぐらいの感じです。

──では最後に、それぞれ「ジレンマ」に思うことを教えてください。

三品:それかー! 今日は「夏について」とかの質問は来るだろうなって想像してきたんですけど……。あ、金髪にしてたんですよ私。去年1年。それを「好き」って言ってくれる人はいたんですけど、全体的な需要としてやっぱり黒いほうがいいんだろうなってわかって……。でも私は金髪を楽しみたかったんです。人生において若い、可愛いときに1回やっておきたかったから私にとっては楽しい1年ではあったけど、なんか求められるもの? 需要と供給が違ったかなって。もちろん「ずっと金髪でいいじゃん」って言ってくれる人もいたから救われてはいたんですけど、「やっぱり黒がいい」ていう声もチラチラ目に入るから、それはちょっとジレンマでしたね。ま、私は勝手に1年でやめるからって決めてやってたんで、楽しませていただいたんで、帰ってきましたよ。10年目で帰ってきました。求められるものと自分がやりたいことが噛み合わなくてもうまいことやらなきゃいけないっていうのも学びました(笑)。

小玉:私は「猫耳ジレンマ」ですね。すごい大事なものなんですよ、わーすたにとって。わーすたの顔。顔じゃないか、耳。やっぱ10年続けてきてるから大事なものだとは思ってるんですけど、もっとこうヘアアレンジが自由で衣装も違った雰囲気になったりとか、そういうのも経験してみたいなって……。ライブ中に気にせず思いっきり頭を振り回したりとかしたいですね。あと、踊るときにやっぱり頭上すれすれにの振りはできないんです。髪の毛かき上げるとかも。かき上げたことないけど、求められてるかもしれないし、やりたくてもできないし、ちょっとやってみたいです。

廣川:(松田さんを見て)寝てる?

松田:いや、考えてたの(笑)。どんなネタにしようか考えてたのがちょっと長かっただけ。

廣川:じゃ私いきますね。私は「セットリストジレンマ」。私たちはセットリストを全部自分たちで決めるんですけど、80曲ぐらい今持ち曲があって、最近のカップリングとかは正直全然やれてないんですよ。やっぱ対バンとか出ると求められてる曲ってあって、初めて見る人にカップリング聴かせても「この曲知らない」ってなりそうだし。でもいつも来てくれるファンのことを考えるとありかなって。最近だと夏フェスとかリリースイベントがギュッと詰まっててめちゃくちゃあるので……リリースイベントだと2まわしで1日に8曲くらい、リリースする曲を除くと7曲ぐらいやってるんですけど、あんまり同じ曲ばっかりもやりたくないけど外向け考えるとこの曲だなってのがあったりして、ジレンマですね。

──持ち曲が多いからこその悩みですね。

廣川:きっとわーしっぷの中でも、みんな刺さる曲が違うんですよね。だから曲を聴いて「今日これか」みたいな人も結構いると思うし、それもわかるけど……って思いながら、やっぱりいろんな曲をやりたい欲はあるので、そこはすごい戦ってます。特にワンマンライブなんかは迷いますね。本当に悩んじゃう。

三品:結局、わかりやすく盛り上がりたいときもあるしね。

──そうですよね。難しい問題ですね。ということで、最後のジレンマをお願いします!

松田:はい。私、お酒が好きなんですなんですけど、本当にプライベートがめっちゃ可愛いと思うんですよ!

──?

廣川:いつもこういう感じなんで。

松田:人間として普通に可愛く生活してるです。浅いファンの方だと誤解されてるんですよね。それが私すごい許せなくて……。お酒好きだけど「好き」って言えないんです。「酒豪なの?」みたい聞かれちゃうので。

──なるほど「お酒好き」=「酒豪」みたいになっちゃうのが嫌なんですね。

松田:そう! 結構お酒が好きな方だと特典会とかで「みりちゃん最近何のお酒飲んでるの? 俺、最近こういうの飲んでてめっちゃ美味しかったよ。飲んでみて!」とかっていうすごくいい会話ができるんですね。なんですけど、お酒を飲んでるっていうと、酒飲みかよ! みたいな感じで浅い方は誤解してる人たちが多い。私は結構品よく飲んでるんです!!

──居酒屋じゃないってことですかね?

松田:居酒屋も好きなんです。ただ居酒屋に行ったとしても、美味しいサワーを美味しいご飯と一緒にゆっくり飲んでるんです。みりに対しての理解が浅い人、みりの解像度が低い人たちってなんか「お酒強い」って言うと「安いお酒をガブガブ飲んでも無敵」「酔いません!」みたいな「全然吐きません」みたいな「ウェイ!」みたいな感じなんです。だからあんまりお酒好きって言えないですよ。飲んでも可愛いし、酔っ払ってても可愛いのに。

三品:それ、みりの解像度じゃなくて多分お酒の解像度だよ。お酒好きっていうのがどういう好きかわかってない。

廣川:基本的にワイワイお酒を飲むのが好きな人のほうが割合的に多そう。

松田:楽しく飲めもするんですけど、一般的に見ても私の飲み方は可愛い!

──誰かが飲んでる姿を隠し撮りしてみたらどうですか?

三品:それは実際の友だちに頼んでね。

松田:メンバーにはちょっと見せられいや。

廣川:いつも飲んでるじゃん(笑)。

松田:お酒飲んでる姿可愛いのに、あんまり公開できないのはちょっとジレンマかなと。悪いイメージ持たれたくないので……。本当はめっちゃ可愛いんです。そこ強めで!


撮影:西村一光


【CD情報】
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わーすた
13th Single『夏恋ジレンマ』
2024.8.21 On Sale!!

収録内容:
01.夏恋ジレンマ 02.君とtea for two♡ 03.夏恋ジレンマ Instrumental 04.君とtea for two♡ Instrumental

わーすたの通算13枚目となるシングルがリリース!! 2025年3月には結成10周年を迎える彼女たちの、今年の夏シングルは、 王道のメロディーと夏の恋をテーマにした、少し切なくキュンとする歌詞の内容に注目の楽曲。この夏は、わーすたの新しい夏ソングを楽しんでもらいたい!

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